Matthews' Issue

アメカジオンラインショップのマニアックブログ。アメリカンカジュアルは面白い!

求めてるのは高品質じゃない

      2017/02/04

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ポイントはそこじゃない

National Athletic Goodsのクルーネックスウェットをオンラインストアにアップしました。

シンプルなクルーネックにちょっと懐かしいハリヌキリブ。 ヴィンテージウエアを基にはしていますが、着丈袖丈をちょっと長めに&身幅腕回りをちょっと細めにアレンジして重ね着もしやすくしてあります。

ところで、

【NATIONAL ATHLETIC GOODS】
ナショナルアスレチックグッズ カナダで古着のディーラーもこなす「ダリン・バチンスキ」により設立。

そのアイテムは30年代から60年代頃に製作されていたワークウエア等にインスパイアを受けデザインが特徴。

また、生産はすべてカナダで行われており、細部までこだわりを持って作られる製品は、非常に高品質。

ネットでブランド名検索してたどり着いたとある大手のショッピングサイト。

当たり障りなく書くクセが付いているのかも知れませんが、これを「デザインが特徴」で「非常に高品質」とは、常日頃洋服に触れる数多の機会がある立場で一体どこに目を付けてるんじゃいと言いたい。

National Athletic Goodsを運営しているバチンスキさんの会社は “Standard Design” っていうんです。特徴的なデザインに売りにするならこんな社名にしないでしょ。プレーン&ベーシックが身上のはず。

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以前国内メーカー直営店にいて、偏執的なジャパンメイドの洗礼を浴びてきた私から見れば、National Athletic Goodsのクオリティーは普通レベルですよ、フツー。

日本製の呪縛

日本製を売り文句にするとなると、例えばスウェットだと

  • 綿100%
  • 吊り編み生地
  • 綿糸縫製

この辺はやって当然と思われていますが、

 

これメチャクチャ作り手のハードル高い

 

んですよ。素材や編みに関しては、日本産生地を買い求めること(National Athletic Goodsもこの流れ)でクリアしている海外ブランドも多いですが、綿糸縫製に限っては作業効率が悪すぎて、狂気の沙汰と言ってもいいくらい国内の一部メーカーにしか見られません。

復刻をベースにしているブランドにとっては時代考証上その選択を自らの義務にも考えているからですが、基にしたヴィンテージにないアレンジの線引きに悩んだり、ヴィンテージ同様の作り方をするととんでもない工賃になってしまうけど販売価格には反映させづらいし……と苦しんでる話を聞くと、とても日本の職人的だなあと思いますし、なんでも高品質と謳ってれば消費者に通ると思っている売り手にはイラッとします。

それぞれのお国柄

海外ブランドはそういう細かいディテールまでは執着しません。ヴィンテージライクに作っても着丈長くしちゃうし、古めかしい風合いの生地でもポリ糸でブワーって縫っちゃいます(笑)。高品質すぎる日本製のカジュアルウエアに慣れた目には物足りなく映るかもしれませんが、そこは比べるところじゃないんですね。

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Washington Redskins / keithallison

一方で、商標権&訴訟の意識が強く、プリントのモチーフや意匠にはかなり気を使っているように思います。

実在の大学や企業名はほぼ使いませんし、また人種的にナイーブなデザインも然り。RRLでもインディアンフェイスプリントを今ほとんど見かけないのは、2014年に商標取り消し判決になったNFLレッドスキンズのロゴと名称に対する訴訟も関連あるんじゃないかと思うんですよね(その代わり商標権のないミリタリーロゴはガンガン使ってますが)。

言うなれば向こうのブランドは

 

合理的な生産性と、それを目にする人たちに差別や区別によるストレスを極力感じさせない 

 

ことを、ディテールの追求や復刻度より重きを置いてるんですね。

きっと1930年代だって、綿糸より頑丈で低コストでミシンの通りもいいポリ糸があったら彼ら使っていたでしょうし、スポーツウエアやワークウエアは装飾品ではないから需要に合わせることが大切。そういった合理性を重視した高い生産力や開発力が、日本をあそこまでボコボコに負かす軍事力に繋がったんだと思います(カナダは主に米英のサプライヤー要員でしたが)。

不要なもの(何が不要かの論点は置いといて)を省いていく合理化は、前に進む推進力になります。以前、アメリカには前世代の文化を壊して新しく塗り替えるパワーがあるという記事を紹介しましたが、uberやairbnbやbitcoinは欠かせないインフラになりつつありますし、アマゾンは流通業まで始めようとしています。次のリーダーを決めるイベントがあそこまで盛り上がる国もそうないでしょう。

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カナダだってマリファナのメリットを認めて10年以上前から規制を緩めていますし、昨年選ばれた首相なんて44歳の若さですよ(二世だけど)。過去(経験)より未来(可能性)に軸があればこそ。

日本産のテキスタイルは世界中のブランドやメーカーに愛されていますが、過去の慣習に囚われないフリースタイルなプロダクトを見ると、

 

「まあ、お前さんとこはいいモン作ってると思ってるよ、でもよ、前行こうぜ、前へ」

 

って言われている気がするんですよね。

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【Vests】 Warehouse Down Vest
【Shirts】 Warehouse Cotton Flannel Shirts
【Sweats】 National Athletic Goods Single V Warm Up
【Pants】 Left Field NYC Tailored fit chino
【Shoes】 Russell Moccasin Huron Moccasin
【Accessories】 HIGHLAND2000 Kilcarra Tweed Cable Bobcap

シンプルなスウェットだけに組み合わせには気合が入ります。あまり見ないグリーンカラーのパンツはコーディネートを一気にアメリカンにしてくれます。ちょっとクセありますけどね。色の濃いアイテムばかりなのでホワイトの入ったネルシャツがいい接着剤になりましたっ。

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