「ファッションセンス」の貸し出しについて、大きなお世話を書いてみたよ!
2018/01/13
Yahoo!トップで採り上げられていたのでご覧になった方もいると思いますが、昨日こんなネット記事がありました。

一応キャプ
「ファッションセンス」貸し出します “服選び同行サービス”相次ぎ登場(リンク切れ)
(略)
コーディネーターが同行可能な地域や日時、希望する報酬、得意分野などを同社のサイト上に登録。それを見た依頼者が、自分の条件に合った人を選び、簡単なメッセージのやり取りで報酬などを決めてから実際に後に同行する。
(略)
報酬は基本的に2人の間で決めるが、評価を基にした人気ランキングで上位に位置するほど高くなりやすいという。コーディネーターは服飾関係の専門学校生などを想定しており、上位にランキングされることでアパレル業界への就職にも役立つとみている。上村善英社長は「私自身がどのような服を選んでいいのか分からないまま買っていた」と始めた動機を話す。“プロ”がサポートするサービスも登場している。
(略)
で、それについて松下はこんな感想を書きました↓。
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ファッションは人と繋がるためのコミュニケーションツールでしかありませんから、人を孤独にさせるオシャレというのはあり得ないんですね。鏡に向かって自分を褒めたところで何も生まれませんでしょ?
で、ですね、ディスってばかりは失礼なので、こういうアレンジすればいいのではというのを、店員側目線で永江さんみたいにつらつら挙げてみようと思います。
これってプロの仕事?
上のヤフー記事では2つのサービスを紹介していて、両方とも80~100名程度のコーディネーターが登録されていますが、ひとつのサイトを見てみると、まず「こういう方に〇〇と△△(ショップ名)に行って、こんなスタイリングのお買い物をしていただきました」という成果報告が圧倒的に少ないです。利用者が少ないだけかもしれませんが。
(もうひとつはFacebookアカウントでログインしなくてはならず、プロフィールデータやアドレスリストをくれてやる気になれないので未見)
レポート自体も、着用写真が水平は取れていないわ見下ろす角度でシャッター押してるわ(それだと頭がでかく足が短く見えるんだってば!)、あろうことかクライアントのbefore&afterの写真がないものまで。今はスマホのカメラでも結構いい写真撮れるでしょうに。「最低この写真だけはこういう撮り方で掲載するように」という規約作りなさい。
しかもレポートはそのコーディネーターのプロフィールページにヒモ付いてさえいない始末……。サービスの主軸は人じゃないのか? コーディネーターの紹介ページで、彼/彼女の実績(役に立つのか分からんけど)が表示されなかったらユーザーはどこで判断するのよ。六畳間でセコセコやってるウチでさえECとブログの相互リンク張ってますよ? サイトマップ作って出直しなさい。
あと登録名は漢字でもアルファベットでもいいから本名で。仕事と報酬のやりとりするのにアダ名とかあり得ん。

どうやって選べばいいの…
ユーザー目線に寄り添って
おっと、つい鼻息荒くなってしまいました。
さて、オシャレに興味はあるけれど、どうやって選んだらいいか分からないという人は、大抵が “服屋の雰囲気に慣れていない” からだと思います。
見てみたいけど広げていいのか……
見てたら店員に声かけられてしまうかも……
話しかけられたらなんて答えればいいんだろう……
こんな風に頭のなかがグルグルしてしまってるんじゃないでしょうか。慣れてないから落ち着かない。落ち着かないから自分の欲しいものとか似合うものとかが見定められない。だったら慣れればいいだけです。
このお買い物アテンドサービス、実質2時間で1,5万円とユーザー側からすると結構な出費です(それをあのプロフィールページで選べというのはかなり無理ゲーに近いが)。
なので、ひとりのクライアントに対してサービスを2日費やすのはどうでしょう。1日目は好みに合いそうな店をナビしてあげて、雰囲気を感じてもらう。ある程度アパレルショップが固まっているエリアなら1,5時間もあれば十分でしょう。もしそこで欲しくなったものがあれば買ってもいいけど、あくまで本番は2日目。1週間後とかですかね。
1日目に5店舗回ってたとしたら、そのうち1~2つに絞ってショッピング。実際に初心者がコーディネート揃えるにあたって、(専門店の多い靴を除けば)4つも5つも店をかけ持ちしても成果は低いです。セレクトショップなら、合いそうなシャツとパンツとジャケットは置いてあるはずですから、1店舗で組み合わせはいくつも出来るはずです。1~1,5時間でクロージング出来ます。
店側としても外からお客さんを連れてきてくれるのはありがたいはずですから、会社同士での交渉次第ではコーディネーター同伴に限り8%くらいのディスカウントなら可能かもしれません。それをサービスへのキックバックに充てれば、ユーザーは買い物するほどサービス利用料が安くできます。
その結果…
2回行ったことのある店なら、後日ひとりで買い物に行くことだって出来るでしょう。もうこのサービスのお世話になることは無くなるかもしれません。2日にまたがることでコーディネーターの手間は当然増えます。
ただ、ユーザーの満足感とコーディネーターが報酬を得ることのどちらが先か、答えは決まってますでしょう。
元々人と人が直接長時間関わらなくてはならないサービスは、ネットとの親和性は低いんです。ZOZOのコーディネートアプリやAmazonのポチに対抗しようと思ったら、いくつもレイヤーを掛けておく必要がありますよね。