ナショナルギャラリー展
2013/12/30
印象派本家の展覧会
昨日はここに行ってきました。ワシントンナショナルギャラリー展です。学生の頃、旅行でワシントンの本家に行きました。とてもいい思い出のあるギャラリーのコレクションが来るんですからこれは見ておかないと!場所は六本木の国立新美術館です。

ガラスの目立つ外装。設計は黒川紀章
ここはだいぶ前に横山大観展を見に来て以来ですね (あれは凄かったです )。
お盆も明けてそんなに混んではいないかと 思っていました(暑かったし…)がちょうど入場の波にあたってしまったようで、作品の前を泳ぐ魚群の一部になってしまいました。パンフレットにいろいろ書き込んでいる子どもたちが目立ちましたね。夏休みの自由研究にでもするのかな?
展覧会は2往復する派です。もう一度入り口に引き返してみたところ、閉館も近かったせいかありがたいことにガラガラでゆっくり堪能できました。モネの3作品が一面に展示してあるスペースがあるのですが、フロア真ん中のベンチからだとこの3作品が一度に視界に納められます。これから観に行かれる方、ここのベンチはおススメですよ。

この3作品です
強く印象に残ったのは作品よりハコ
件の旅行ではここの他にボストン美術館、スミソニアン博物館群、メトロポリタン美術館を訪れましたが、どこもその規模は日本の比ではありません。しかしどこも2~3時間しか時間が取れなかったので、ポイントを絞らないと館内を一周(+迷子)しているだけでタイムアップです。
どの美術館も展示物が素晴らしかったのはもちろん(…だったと思います。もう20年も前のことなので )、館内に噴水があったりして時間の流れが穏やかだったのを覚えています。噴水の縁に腰掛けて本を読んでいる人やソファで昼寝をしている人など…。
一旦入場料を払えば1~2週間くらい出入りが自由になる館もあり、美術館が町の人たちの憩いの場になっているような、市民の暮らしの中心のひとつになっている様な雰囲気がとても羨ましかったです。昼寝の人は私が入るときも出る時もずっと寝ていたので、おそらく注意もされないんだと思います (今は分かりませんけれどね )。
ボストンでは私もローカルを真似てモネの絵を集めたフロアのソファで30分くらいぼーっとしていました(木製のベンチじゃ長居できません!)。メトロポリタンはいちばん見たかったエジプト展示がメンテナンスのためにクローズしていて残念な思い出が強いんですよね。エントランスでは面白いことがあったのですが、それはまた別の機会に。
ガイドさんとのやり取りで、
「え~これから館内は自由に動いていただいて構いません。◯時に戻ってきてください。あ、それから展示物は触れますので気を…」
「ええっ? 触っていいんですか??」
「あ、いえいえ、そういう意味ではありません。触ることの出来る状態で展示されていますのでくれぐれも気をつけてください、と言おうとしたんですよ。」
な~んだ。触っちゃいけないなんて考えてみれば当たり前ですよね。でも実際に展示物の前に柵やガラスケースがない館内の風景は結構ショックでした、日本と全然違っていて。どの様な理由によるものかは知る由もありませんでしたが、観る側のマナーを信じているという理由も少なからずあると思うと日本の状況がちょっと悲しいやら情けないやら。
ここは外装とエントランスロビーはさすがの雰囲気なんですが、展示室はシンプル極まりないんですよね。いかにも期間限定の催事ですよという殺風景さが少し残念。外部所蔵品の展覧会だから仕方ないのですけれど、あの美術館で感じた何とも言えない穏やかな記憶を追体験するという訳にはいきませんでした。

次回はアメリカンモダンアートとな。 これも要チェック!

さすが六本木。ディーラー展示が派手だ!