Matthews' Issue

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アパレルとかの面接

      2014/12/06

ツイッターにも書きましたが、「いま企業が欲しがる人材は個人のスキルが高い人より、組織のパフォーマンスをあげられる人」なんだそうです。それは潜在的な頃を含めると少なくともこの20年は変わっていないと思います。経験上。

私は以前エリアマネジャーの立場にいたことがありまして、面接官も何度かやりました。テーブルと椅子の向こう側にあるドアと、そこから入ってくる人を受け入れるという風景はなかなか新鮮でしたし、何十回と数をこなしていた訳ではありませんのでその都度こちらも緊張してました。

でも、実際に「あっち側」の椅子に座ってみると、「なるほど、だからあの時俺は通ったんだな」と思わず膝を打ってしまうように気づくことがありました。

アパレルの場合、そのブランドや商品やショップに何かしらの思い入れのある人たちが志すのがほとんどですが、当時こちらは人事課というほどのものもなく、また面接官のイロハを学んでいた訳でもないので、「とりあえず働いてみてもらわないと分からないよなぁ」と、面接を受けてくれる人に申し訳ないような採用基準しか持っていませんでした。

でもどうやらそれでいいみたいです。

「面接で話す内容は、採用の可否にはほとんど影響しない」
入ってきて椅子のところまで歩いてきて座る頃にはもう9割方決まり。一緒に働いているイメージや、自店に立っている姿を想像できたらもうほぼ採用決定。続くかどうかはもうその人次第。

ですから結果のいい人ほど話すことが無いんですよね。でも“面接時間は20分”と事前に伝えてあるので打ち切る訳にもいかず、「え~と それはどこのお店で買ったの?」なんてアホな質問をしたりしてました。

翻って座るまでに決定打を打てなかった人には、まだ見えてない部分の存在に期待して、「アナタにとって仕事とは……? 洋服とは……? 接客とは……?」という質問を重ねていくことになります。

日常英会話が出来るとかPC検定取得かつ実務3年以上とか、元々のハードルが高く設定されている面接は仕方ないにしても、面接ノウハウみたいなものってほとんど必要ないんじゃないかと思ってしまいます。

今までの経験や出会いを通じて、周りに“そう思わせるような雰囲気”を醸成してきているかどうかが、今この時の採用可否の最も大きなウエイトを占めているとすると、対策を考えた時点でもう遅いんですから。

大学生だった時にある先生がおっしゃっていた、「僕の知り合いの人事担当は面接室のドアから椅子までの間に紙くずをわざと置いておくんだって。で、入室から座るまでにその紙くずに気づいて拾った人は即採用だって」という、当時は信じられなかったエピソードも十分あり得る話です。

緊張を強いられるであろうその場で結構周りが見えていることや、自分の着ているもののポケットの内側が汚れることと、視界にゴミがなく(仕事のパフォーマンスを上げるための要素である)いい気分でいることを自然と選び分けられる人物となれば、企業側がプラスに評価してもおかしくありませんよね。

何で俺が拾わなきゃいけないんだとか、俺が捨てたもんじゃないなどと言ってしまう人が集団のパフォーマンスを賦活できるわけもありませんもの。

その大学時代、就職課に呆れられるほどの高望みで某メガ企業に挑んで、いともあっさり採用をゲットした友人がいます。我が母校からではクラストップの人間でも「お前何考えてんの?」と言われかねない某企業です。お世辞にも勉強のデキる奴とは言えませんでしたが、その彼がいると遊びの盛り上がりが段違いでした。

「組織のパフォーマンスを上げるスキル」と言い換えれば、今まで知り合った人の中では最高レベルの持ち主です。私自身の経験はアパレルの中でしかありませんが、彼のことを持ち出す限りあまり業界は(それが入試でも)関係ないのかも知れません。
(翌年、就職課が三顧の礼を持ってOB訪問を頼んだそうですが、あっさり「断ってやった」そうです)

ちなみに私の「なるほど、だからあの時」は、新卒で某大手アパレルの面接に臨んだ時でした。最初はおとなしくしてましたが、面接官の物言いに対して半ばどうでもよくなり、ついそこの会社が運営している店へのクレームを発言してしまいました。
(もちろん礼儀正しく言いましたよ)

そうしたらその面接にパスしてしまいました。採用までは至りませんでしたが、次の案内が送られてきた時は驚いたものでした。

 - 日記