ジーンズのどうでもいい話
2013/12/29
レプリカジーンズ隆盛期
知ってる人はとっくに知っている昨日の話の続きです。
日本製のジーンズが 「レプリカジーンズ」 として流行っていた1990年代から15年位の間、「ジーパンは洗わずに穿き込んだ方がイイ色落ちになる」といわれていました。ジーンズショップで働いていた当時は 「これ、洗わない方がいい感じになるんスよね?」 と店頭で訊かれても、「まあ、たまには洗ってくださいね」 くらいしか答えられませんでした。
僕自身はそんなショップで働いていながら古着のレギュラー501の方をよく穿いていました。すでに相当薄いブルーだったので、そこからの色落ちがどうこうというシロモノでもなく、気付いたら洗うというサイクルでした。ポリ糸縫製の頑丈なヤツですから洗っていないことでの糸切れもなく、そもそも “洗濯をしないとこうなる” という発想自体がありませんでした。おそらく洗濯は3~4か月に一度という今考えると……なペースでした。
それにしても、なんでジーパンに限って洗わないっていう話になるんでしょね?とスタッフ同士で話した結果、「ヴィンテージのせいだな」 という答えになりました。
昨日のエントリで、「インディゴは堅牢度が低い」 と書きましたが、デッドストックやミントコンディション、どんなに保存状態が良かったとしても “経年劣化” というものがあります。長い時間の間に糸と染料の結びつきが弱くなってしまうんですね。
一方技術の進歩で洗濯洗剤はどんどんパワフルになっていきました。やっとの思いで手に入れたヴィンテージジーンズなのに、いつもと同じように洗濯したらズバッと色抜けしてしまうんですから、もう極力洗わないようにしようとココロに誓うのも道理です。
その考え方を現行品であるヴィンテージレプリカにもあてはめてしまったんですね。半分都市伝説みたいなものです。買ったばかりの現行品に経年劣化はありませんので、汚れたなと思ったらしっかり洗ってくださいね。
それからずっと不思議に思っていたのが「腰穿き」です。これもヴィンテージジーンズ由来なんですね。生地や色のコンディションと同様に、ウエスト/レングスのサイズバランスがいいヴィンテージは数が少なく自ずとプレミアムプライスでしたが、丈の短いアンバランスのものは数や値段的にまだ手が届きやすかったので、みんなオーバーサイズを選んでウエスト位置を下げて穿くことで短く見えない様にしたんですね。同じアメリカを元にするファッションカルチャーでも、ブラザーファッションとはアプローチが異なります。
で、不思議なのは、「背の高いアメリカ人が穿いていたのに、なぜそんなに短いレングスのものが多いのか?」ということなんです。
調べてみました。ちょっと意外な結果に。
意外と低いアメリカン
「1940~50年代のアメリカ人の身長の平均」をネットで検索してみると、これがビックリするくらい見つかりませんでした。ホントにようやく見つけたのが上の画像。でもただ画像だけで、説明のあるサイトとかなーんにもないんです。横軸が1980年代までなので、その当時の雑誌か書籍に載ってたものなのかも知れませんが、このへんとかこのへんを見るかぎり、精度のイマイチさは時代的なものとして、それなりに信憑性はあるようです。
で、上の表で1930~50年代を見てみると…あれ? 平均170センチ台?
洗っているうちに縮んでしまった可能性も考えると、30インチくらいのレングスは極々当たり前なのかもしれませんね。それにしても全世代で180センチを下回るアベレージとは意外でした。アメリカ人ってデカいイメージしか無いですけどねえ。
明日10日(水)は店休日です。また11日よりよろしくお願いします。