Matthews' Issue

アメカジオンラインショップのマニアックブログ。アメリカンカジュアルは面白い!

販売員のアドバンテージ(改

      2013/11/27

そりゃコマーシャルフィルムはセンスいい写真ばかりですよ

ネットモールの新しいサービス

数日前から目にするZOZOTOWN の新サービスWEAR。
このイメージヴィデオでは、あるショップで見たブラウスが気になって、サービスを使って写真をアップロード。「みんなのリアクションもいいからやっぱり買っちゃおう!」とショップに再来店して無事購入。自撮りにナイスコメントオンパレードのオマケつき。

実際はショップ店頭にあるアイテムのバーコードを読み取ることで、より安い価格で販売している自社展開ネットモールへのナビゲートするのが本来の狙いとか。家電品ではもうお約束になっているショールーミング(実店舗ではモノを見るだけ、購入はより安い価格設定のネットショップ)がアパレルにも来たと大手商業施設の拒絶反応にあっているみたいですね。ZOZO というと社長の暴言炎上を外野として面白く見ていましたが(どうせならステーキ◯ん位まで突き抜けちゃえばいいのに)、これどうなんでしょうね?

そういうあんたもネットショップじゃないかと言われてしまうかもですが、気持ちはあっち側にはいないつもりです

WEAR

サイトを見てみましたが、メンズにはそこまで影響ないんじゃないかと思いました。家電などと違って身に着ける装飾品の購入であることと、男性は見栄を大事にする生き物なので、店頭で目の前に「カッコいい!欲しい!」と思えるものがあったら店員の目も気になるしその場で買います。品揃えが好きで通っているお店で撮影ばっかりしていて、反って立ち寄りづらく感じるとしたら本末転倒もいいところですよ。

買わなかったけれどやっぱり欲しいとなった時に、そのショップに再アタックかネット検索かという分岐はあるにせよ、「欲しくなるかもしれないと後々思うかも」という理由でこのサービスを事前にその場で使うということはないんじゃないでしょうか。だってメンドクサイでしょ。みんなの反応が知りたいならInstagram やFlickr で事足りてるんじゃないでしょうかね。

コーディネートの参考にとおっしゃいますが、

今のところ一般人の態でポストしているショップスタッフが大半でしょうが、メンズは掲載されている写真のレベルが低すぎてあまり参考になりません(女子はその辺さすがです)。スポット照明と一眼を使えとまでは言いませんが、ビルの看板照明の前で撮ったらモロ逆光なこと位分かりそうなものですが……。

日経ビジネスにこんな記事が載っていました。

2013年11月6日 「WEAR」は店舗の破壊者か

ただ、それだけでショールーミングが進むわけではないだろう。なぜなら衣料品は、家電やパソコンなどのようにまったく同じ商品があちこちのサイトで売られていて、各サイトで値段が異なるということが原則としてほとんどないからだ。例えば、ユニクロや無印良品の商品があちこちのサイトで異なる値段で売られていることはない。

(中略)

「WEAR」は実店舗の脅威になりそうな面は確かにある。しかし、上記のような安易な商品の調達を止め、ブランドごとの独自性を確立すれば、ほかの分野よりもショールーミングが起こりにくいと思うのだが、いかがだろうか。それよりも、消費者の利便性を考えず、旧態依然とした運営手法を既得権益のごとく守るばかりの百貨店やファッションビルの姿勢は情けない限りである。

ウチのサイトも必要なインフォメーションとして計測したサイズを載せていますが、それは手持ちの服と比べてもらうためです。

厳密に言えば同じ着丈でも肩幅の広いシャツと狭いシャツは着た時には差が出ます。そこはもう見ている人ひとりひとりには合わせきれないので、ひとつの基準として客観的なデータを載せているんです。「65cmの着丈」と聞いて即座にイメージするなんて僕だってできませんよ

通販サイトは試着が出来ない。
これは確かに販売するにあたってデメリットではありますが、イメージと違ったりサイズが合わなければ返品が可能なショップや、選んで送られてきた複数の中から気に入った物だけ購入できるシステムのサイトだってあります。試着のシチュエーションが提供できないなりに、ショップ側も購入の心理的な障壁を取り除こうと努力しています。

ZOZO のこのサービス、軌道に乗れば投稿されるデータが膨大になることで通販サイトとしての精度が上がってくる可能性はあるにしても ネット通販の「試着できない」という弱点を補う可能性を秘めている っていうのはちょっと違うんじゃないかと思います。というかそもそも投稿するユーザーは現物が目の前にあるから試着できるわけで……

個人レベルでは十分アドバンテージあり

確かに「駅チカ」や知名度を活かした集客力を強みにしてきたファッションビルや百貨店は、SNSやEコマースがこれだけ発達してきた現在においてはダビデに対するゴリアテのような、「大きいけれど動きは鈍い」前時代的なサービスに見えても仕方ないのかもしれません(動きの鈍さやカタさは働いた経験上大いに感じるところでもありましたしね)。

だからそういった業態からの拒絶反応なのかもですが、少なくとも現場の人間がビビる必要はないんじゃないかと思います。「OEM を止めればいい」という上の記事とは別の理由でです。

だって今目の前にいるお客さんに対しては自分の声で話しかけることも話を聞くこともできて、笑顔も伝えられて、触ることが出来て、髪の色肌の色を見て色合わせや着こなし提案が出来るシチュエーションは、どんなSNS よりもリアルタイムでパーソナルなやり取りです。お客が独りでスマホを操作するより楽しい時間空間を提供できるようにスキルを磨けばいいだけの話です。ショップスタッフは販売と一緒に自分も売らなきゃダメなんです

撮影を禁止するんじゃなくて(禁止しているのはデベロッパーでしょうが)、一緒にスマホ画面を覗きこんで「あーこの着こなしいいですね~」なんて言ってごらんなさい。あなたから買うに決まってんじゃないですか

だから頑張りましょうリアルショップの販売員さん! 僕も頑張ります!

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