自分勝手なアメリカン
プロダクツに感じる国民性
続きになるのか分かりませんが続けます。
考え方や立ちふるまいと同様に、製造品にもお国柄とか国民性ってあると思うんです。
新興アメリカブランドが国内で作ることを選択しているのには、いわゆる工場国のコストアップや生産ロットの増加という要因もなくはないのでしょうが、そこかしこに蔓延している、自分たちでも何とか出来るだろというDIYメンタリティーがあるはずです。
オリンピックのセレモニーウエアがなぜ中国製なのかという上院議員をはじめ国民からのクレームには、国際社会の場でアメリカがアメリカらしくあらずしてどうするのだという(いまやビッグ2と言われるほどに肩を並べつつある中国への牽制を含めての)プライドが露わになっています。
アメリカ製アパレルの復権は、かつてを知る身としてはドキドキワクワクしますし、実際の製品を手にするとやっぱりいいなって思います。
あと、僕の好きなアメリカンブランドは安直なマネやコピーをしていません。フットウエアが特に分かりやすくて、ニューバランスっぽいスニーカーもダナーのデザインを真似したブーツも他所では見かけません。Vans もWesco もそうです。
マネしたところで元ネタそんなに知られてない
それはそのブランドが生み出したデザインやイメージに対する敬意や安直にマネすることなんてクールじゃないぜっていう考えと同時に、広大な国土が成せるローカリズムもあると思うんですよね。
1940~50年代当時もトップメーカーだったLevi's を真似た多くのワークウエアブランドがある中、Lee がそちらになびかなかったのは単にベイエリアのサンフランシスコとめちゃくちゃ離れていて(Lee はアメリカ中部のカンザス州)、あんまり良く知らなかっただけなんじゃないかと。ローカルのユーザーニーズに応えているだけで十分商売が成り立っていて、いつの間にか古参メーカーになってました、みたいな。
一年中短パンでいられるような西海岸のゆるいブランドも、雪深い山の中で使うようなワークウエアも、入植者が拓いた都市特有のノーブルなヨーロッパ的雰囲気のあるアイテムもみんなアメリカ。国の広さを感じますし、あんまり細かいこと気にしないんだろうなあと苦笑いしてしまう適当な作りもアメリカ製だと許せてしまうんですよね。
その雰囲気を、狭い国土で ”みんな一緒がいい” がマジョリティーの日本のファッションに求めるのは難しいのですが、最近はデザインやディテールをなぞっただけのカジュアルウエアが増えたなあと思います。ぱっと見て分かりやすいモノも増えました。
ネット通販が増えてきて(首を絞めないように言葉を選ばねば…)、画面上でキャッチーに映ることが求められるようになってきているのかもしれません。ブランドロゴならともかく、タグを表地に縫いつけるなんてデザインも何もあったもんじゃないと嘆いてしまうのは古いオッサン世代だからでしょうか。気遣いをこじらせた見た目至れり尽くせりの服を見るたびに馬鹿にされている気持ちになります。
Pinterest のメンズファッションカテでも目に留まるのはブツ撮りよりランウェイよりストリート。だからモノにフォーカスが強いSumally はあまりグッと来ません。ファッションなんてやっぱりコーディネートして街に出かけてナンボのもん。前々回エントリの写真はそんなつもりで撮りました。
この前展示会で見たスウェットはプリントも入っていないプレーンなものでしたけれど、こういうのいいよねって売ってみたいなあと思ったので、いくつかオーダーすることにしました。画面越しでどこまで伝えられるか分かりませんけど。アメリカじゃなくてカナダ製なんですけど、北米つながりってことで(笑)。
昔は服や音楽、車、サーフィンなど先輩が自分の趣味を後輩に教えたり使わなくなったモノを譲るのが習慣だった。 確かにそうだったかも… pic.twitter.com/NtesbpPGlf
— PREPPY (@Mark20130309) 2014, 2月 18
がんばるぞー。