Matthews' Issue

アメカジオンラインショップのマニアックブログ。アメリカンカジュアルは面白い!

ウエアハウス代官山店

      2019/12/26

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ベルト屋さんに作ってもらったスティングレイのファルスタンです


「そりゃ緊張しましたよ。でも松下さんのブーツ、つま先になんかすげえの付いてるぞ何だあれって思ってて」

 

前職の引き継ぎの関係でオープンからちょっと遅れて働き始めた彼に、「どう?面接緊張した?」と訊いたらそんな答えが返ってきました。十分冷静じゃん。

知ってるような知らないようなお客さん

14年(かな?)ウエアハウスで働いていた本田宏くんが退社すると聞いて色々思い出しています。

元々彼は私が働いていた横浜のジーンズショップに来ていて、ただ、他のスタッフと仲が良くてほとんど話した記憶もなく、「よく来る子だな」位の印象しかありませんでした。

私がウエアハウスの大阪店舗にいた頃、本田くんはお兄さんと一緒に、直営店でしか受け付けていなかったジーンズのカスタムオーダーをしにひょっこり現れました。お兄さん(カズシゲくんお元気?)も件のショップにはよく来ていたのですが、「え、君たち兄弟だったの?」とそこで初めて知る位のうっすい関係でした。

「あとは串カツ食って帰ります」

オーダーを決めた後で笑いながらそんなことを言うのを見て、行動力あるなーって思ってました。

私は働けるならどこでもいいと思ってウエアハウスにアプローチしたのですが、東京出店の考えもあるのでそっち方面の人間がいればありがたいがそれまでしばらくは大阪で研修ってカタチで、と言われて入社しました。「早ければ2~3か月(のうちに出店する)」という話が結果一年以上在阪でしたが……。

予定は未定。その期日はとっくに過ぎていた当時の持ちネタだったこの話は彼にもしたと思うので、本社に履歴書が届いたのも意外ではありませんでした。

階段の下の別世界

ウエアハウス代官山店は色々あって地下のこじんまりしたスペースで始めることになりました。

店についての要望は、狭かろうがチェーンとシングルのミシンと2台とサークルラックは必ず入れて欲しい位で、スケルトンの現地や図面を見ても、あんな天井の低いハコで「カウンターに屋根付けんねん。かっこええで」と言われてもさっぱりイメージ出来ないので、内装はボス2人と内装屋さんにまるっとお任せしました。

出来上がったのは凹凸の木壁や赤青のむき出し電気配線、カウンターテーブルから伸びる柱に繋がるトタン屋根と、まさに古いアメリカのウエアハウス(倉庫)でした。

アメリカ古材は思っているよりも高価なものなのですが、代官山店のインテリアにいくら位かかったのかは結局最後まで教えてもらえませんでした(ウエアハウス内装の個人的最高傑作はArchives原宿店。あれスゴすぎます)。

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Archives原宿店にて


以前働いていたジーンズショップでは、新興ブランドながらトップクラスのセールスを出していたウエアハウス。お膝下ではそこまでの勢いが感じられなかったのが意外ではありましたが、満を持しての東京初出店、うまくいかないわけがないと信じていました。根拠のない大口をたたいて大阪から戻ってきました。

「大丈夫ッス。任せてください」

プライドをすり減らす日々

しかしスタートダッシュは大失敗。

オンタイムで発信できるソーシャルメディアどころかネットもさほど利用されていなかった当時は、地下の目立たない立地の店をアピールするにも月刊ファッション誌を使うしかありません。それでも打ち合わせから撮影を経て発売されるのは1,5ヶ月くらい先の話。焦りしかない日々が続きました。

店の存在をもっと認知してもらう必要に駆られ、山ひとつ向こうの通りの、あるレストランの2階にも店舗を出しました。一部では幻の恵比寿店と言われていたお店です。

初期の代官山店をご存知の方は、スタッフが3人いたことを憶えていらっしゃるかと思います。私のビッグマウスが原因で、その3人で2店舗を回すというスクランブル体制になってしまいました。

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本来であれば手元でアパレル接客のやり方を教えていかなければいけないのに(まあそれでも「背中見て覚えろ」というタイプではありましたが……)、責任者として情けなく、申し訳なく思っていました。今日はこっち、明日はあっちの店と、2人とも目まぐるしく過ぎる荒波のような毎日を、いや、キャプテンが進む方向も示せない凪の上のボートを懸命に漕いでくれました。

結局バタバタのまま、恵比寿店はクローズ。スタッフひとりは大阪へ異動になりました。

 

 

続きます

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